仏教。天上天下 唯我独尊
天上天下唯我独尊
てんじょうてんげ ゆいがどくそん
お釈迦様がお生まれになられてすぐに、七歩、歩み、「天上天下 唯我独尊」とおっしゃったと伝えられています。
お釈迦様は、この世には、六つの世界があり、人間がいる世界はその中の一つであると説かれました。
六つの世界とは「六道界」といって、地獄・餓鬼・畜生・人間・天という苦しみのある世界です。
私たちはこれらの六つの世界で生まれ変わりを繰り返しています。
天上天下とはこの世の中の全ての世界、六道界のことを示しています。
そして、唯我独尊とは、「我の存在はとても尊い」という意味の中には、
「仏に成れる我が身は尊い存在だ」(悉有仏性しつうぶつしょう)という意味が含まれています。
これらは、お釈迦様自身だけではなく、私たち自身も同じように尊い存在という教えです。
そして、お釈迦様が七歩あゆまれたことは、六歩目までが六道の苦しみを表していて、その苦しみから離れることの大切さを表した最後の一歩が七歩目です。
お釈迦様は苦しみの世界から抜け出す方法をいくつも説かれました。
人間界は、六道界の他の世界を心の境涯として経験が出来る特別な世界であると云います。
地獄の苦しみ、天の喜び、全ての心の経験をすることができる人間界だからこそ、功徳を積み、仏の道を目指すことができる。
その為、人間として生まれることは、尊く、勝処、だとお釈迦様は説きます。
人間界は、六道の世界において、中道の世界といえるのではないかと思います。