仏教。 四諦八正道、中道
四諦八正道(したいはっしょうどう)
苦しみの多い人生に於いての真の安心に至るための道筋への方法が説かれています。
◎四諦(したい)
諦とは、明らかにすることです。
悪因悪果・悪因苦果
あくいんあっか・あくいんくか
善因善果・善因楽果
ぜんいんぜんか・ぜんいんらっか
一 、苦諦 (くたい) 人生は苦である。
現状を知ること。苦果
二 、集諦(じったい) 苦の原因は無明である。
苦しみの原因は何か。悪因
三 、滅諦(めったい) 苦を滅した理想の境地がある。
苦しみを抜けた状態を知る。楽果
四 、道諦 (どうたい) 苦しみを滅するための方法には、八つの道がある。善因
この世は、思い通りにならない苦しみに溢れていることを諦らかにして、その苦しみの原因は無明からくる煩悩、執着であることを知り、解決の道に進む。
無明とは、この世の真実についての智慧がない、無知の闇に囚われている状態です。
この世のもの事はすべては変化し続けていて、永久不変のものはなく諸行無常である。
全てのもの事は実体が無い、存在が在るというもの事全ては相対の関係がある。
因と縁(因縁)で成り立ち単独での存在は一つもない諸法無我である。
苦しみの解決への方法には、八つの道があります。
◎一 正見 (しょうけん)
正しい見解と理解を持つ
◎二 正思惟 (しょうしゆい)
片寄らない思考
◎三 正語 (しょうご)
正しい言葉を使う
◎四 正業 (しょうぎょう)
正しい行い
◎五 正命 (しょうみょう)
正しい生活
◎六 正精進 (しょうしょうじん)
正しい努力
◎七 正念 (しょうねん)
正しい意識、想念
◎八 正定 (しょうじょう)
正しい安心を得る
八正道の中で要となる道が「正見」と「正定」と云われます。
正しい智慧(正見)により、真の安心(正定)を得る智慧の道筋と云うことです。
法句経の中でお釈迦様はこのようなことをおっしゃいました。
「この道の他に道なし 知見を浄めるため 汝等 この道を進むべし この道を往かば苦しみを終えん 心に刺さる矢を抜き 悪魔の束縛を逃れん これぞ 悪魔を惑わす道なり」(道274~6の偈より抜粋)
知見を浄めることで、自分を呪縛し惑わす悪魔の苦しみから解放されるということです。
そして、八正道の道を通じて、中道というどのような環境にあっても左右されることのない片寄らない心と視野を得ることにもなります。