仏教。 掃除の功徳
仏教には、掃除の大切さ重要さについての教えがたくさんあります。
作務(さむ)と云う 禅寺で、僧が労務などを行う修行の中心には掃除があります。
掃除を通して、清浄さ、環境を整えることの大切さを知ることで功徳を得ることに繋がると云う教えです。
お釈迦様の弟子に自分の名前すら覚える事が出来ないという周利槃特(しゅりはんどく)が居ました。
お釈迦様は、周利槃特に一本のほうきを手渡し、「掃除をしながら『塵を払わん、垢を除かん』と唱えよ」とおっしゃいました。
周利槃特は、何年もこの教えを守り掃除を続けていると「塵を払うとは、垢を除くとはどのような意味なのか」と疑問を持つようになります。
そして、ある時に、自分の中にもある塵や垢(煩悩、執着)を見つけると、除くという離れることの大切さに気が付き、見事に悟りを得ることになります。
掃除の大切さについて、お釈迦様と弟子とのこのようなエピソードがあります。
説法会場を掃除して整えることがどれだけの功徳を積むことができるのかという教えを掃地(掃除)の五徳として説きました。
掃地(掃除)の五徳
一、自身清浄じしんせいじょう
自分の心を浄める
二、他心清浄たしんせいじょう
掃除をした清浄な環境は他の人の心も浄める(浄めの連鎖)
四、端正の業を植ゆ
心身、もの事が整っていく
五、命終の後まさに生ずべけん
死後必ず天上に生を受ける
自らの心の垢を除き浄め、また他の垢を除く、憍慢を去り、心を調伏し功徳を増長して善処に生ずることを得ん
よく掃除のされた環境は自分だけではなく、周りの人にも影響を与えます。
掃除を通して環境を整えることは、重要なことです。
仏教は難しい教えではありません、自覚と実践の教えです。
実践(行動)なくして結果を得ることができないと云うことです。